実習風景~その161~
本日の京都寿司アカデミーでは、寿司職人を目指す生徒たちが、「甘鯛の幽庵焼き」「ホウボウの仕込み」「太巻き」の三品に取り組みました。いずれも、仕込みから火入れ、包丁仕事に至るまで、丁寧さと繊細な感覚が求められる内容で、寿司を学ぶ日々の中でもとくに実りある時間となりました。 まずは「甘鯛の幽庵焼き」。幽庵地(ゆうあんじ)に漬けてから香ばしく焼き上げることで、皮目には心地よい焦げ目、身はふっくらと。柚子の香りと醤油の香ばしさが加わり、甘鯛本来の上品な旨みが引き立ちました。火入れの見極めひとつで味も食感も変わるため、寿司教室としての実践力が試される工程でした。 次に扱ったのは「ホウボウ」。透き通るような白身に包丁を入れると、しっかりとした弾力が手に伝わってきます。今回は刺身に仕立てましたが、昆布締めにも向く魚で、噛むごとににじみ出る甘みが印象的。包丁の角度や引き方を調整しながら、それぞれの部位に応じた切りつけを学びました。 最後は「太巻き」。玉子、干瓢、いなり、きゅうり、エビなどの具材はすべて丁寧に仕込み、それぞれが独立した味を持ちながら、巻いたときに美しくまとまるよう工夫しました。断面の美しさと、口に入れたときの一体感を目指し、巻き方にも集中。寿司の基本に立ち返る良い練習となりました。 京都という伝統の地で、和の技術を真剣に身につける毎日。今日もまた一歩、職人としての成長を実感することができました。