実習風景~その135~
本日の京都寿司アカデミーでは、季節を感じる素材を使った授業を行いました。メインは、キスの昆布締め握り。 夏が旬のキス(鱚)は、もともと淡白で上品な味わいが特徴ですが、今回は真昆布で丁寧に締めることで、旨味がぎゅっと凝縮され、より深い味わいに。昆布の香りがほのかに重なり、酢飯との相性も抜群です。見た目にも涼やかで、暑さの増すこの季節にぴったりの一貫となりました。 次に取り組んだのは、蒸し鮑(あわび)。活けの鮑をじっくりと蒸し上げることで、やわらかさの中にコリッとした食感を残しつつ、噛むほどに磯の風味と自然な甘みが広がる上品な仕上がりに。シャリとのバランスも学びながら、蒸し物の可能性を実感する時間となりました。 最後は、バイ貝の煮付け。丁寧に下処理を行い、出汁・醤油・みりんでじっくりと煮含めました。やわらかな甘みと程よい歯応えがあり、箸休めにも主役にもなれる存在感。冷酒との相性も抜群で、和のつまみの魅力を学ぶ良い実習になりました。 京都寿司アカデミーでは、握りの技術はもちろん、蒸し物や煮物など、寿司を学ぶうえで欠かせない和食の基本技術も丁寧に指導しています。ただの寿司教室では体験できない、四季と素材に寄り添った「引き算の美学」を、日々の実習を通じて身につけていきます。