甘鯛の鱗焼きは、火を入れれば完成する料理ではありません。
鱗をきれいに残したまま下処理を行い、油を当てる位置や温度、火入れのタイミングを細かく調整することで、初めて鱗がパリッと美しく立ち上がります。一方で、身には火を入れすぎず、ふっくらとした食感を残さなければなりません。
今回の実習では、鱗の香ばしさと身のやわらかさを両立させることを目標に、焼き方を何度も確認しました。ほんの少し油の温度が違うだけでも、鱗の開き方や食感は変わります。見た目は似ていても、口に入れた瞬間の軽さや香りには大きな差が生まれます。
こうした微妙な変化を自分の目と手で感じ取ることも、寿司を学ぶうえで大切な経験です。握りだけでなく、焼き物や一品料理を通して素材の特徴を理解することで、料理人としての判断力も磨かれていきます。
京都寿司アカデミーでは、一般的な寿司教室の枠にとどまらず、京都の食文化に根付いた調理法や、素材を生かすための火入れについても実践的に学びます。
何度も失敗しながら最適な温度やタイミングを探る。その積み重ねによって、鱗はより美しく、身はよりふっくらと仕上がっていきます。
甘鯛本来の旨味を引き出し、見た目にも食感にも印象を残す一皿を目指して、これからも丁寧に技術を磨いていきます。
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