本日の京都寿司アカデミーでは、朝一番に包丁研ぎからスタート。寿司を学ぶうえで、包丁の手入れは欠かせない基本です。研ぎ石に向き合う静かな時間は、まるで心を整えるようなひととき。刃の角度、水の音、手の感覚に意識を集中させながら、一本の包丁と真剣に向き合うことで、料理人としての原点を見つめ直す時間となりました。
切れ味を取り戻した包丁で魚を扱うと、その違いは歴然。まるで魚が身を委ねてくれるかのような繊細な感覚を味わいながら、次は甘エビとキスの昆布締めに取り組みました。甘エビは丁寧に殻をむき、塩を当ててから昆布で締めることで、ねっとりとした旨みが際立ちます。キスは三枚におろしてから湯引きを施し、余分な脂を落としたあと昆布で締め、身の美しさと旨味を引き出しました。

どちらも半日ほど寝かせて、昆布の香りと魚の味が調和するタイミングを見極めます。手間と時間をかけて丁寧に仕込むことで生まれる、上品で奥行きのある味わい。その仕上がりに、生徒たちも達成感を感じていた様子でした。
京都の地で寿司を学ぶということは、こうした「心」と「技」の両面を磨くことでもあります。京都寿司アカデミーでは、ただ技術を習得するだけでなく、日々の仕込みを通して料理人としての姿勢を育むことを大切にしています。